フレアップ!!上巻
もう俺は何も言わずに扉を開けると、少し寒い風が暖房のかかった部屋に流れ込む。
いつものように、山中が俺を睨み付け、早く閉めろっといった表情で目で伝えた。
いつもならば、一瞬でおわるそのやり取りのはずが、山中はずっとこっちを見ている。
睨むというよりも、憎しみのような...
いや、そんなの気にしてる場合じゃないな。俺はふらふらなんだ。早く保健室へ逃げ込まなければ。
俺は弱々しく扉を閉めると、あまり見たくもない世界を遮った。