彼は甘くてほろ苦い
マンションに着くと、暗い部屋に裕の姿があった。
「誰。・・・ああ、実優か」
冷たい声・・・。
やっぱりまだ怒ってるよね。
「さっきはごめんなさい・・・。どうしたら許してくれるのかわかんなかったけど、謝りたくて・・・」
「謝罪の言葉はいらない。こっち来いよ」
「うん・・・」

チュッ
「消毒。さっきあいつにキスされただろ?」
何回も何回も唇を重ねた。
「もおっ・・・大丈夫っ・・・だか・・・らっ」
「あっそ。つーか俺お前がもし来なかったら離婚届取りに行ってた」
「り・・・離婚!?!?嫌嫌嫌!!!絶対別れない!!」
「クス・・・ばーか。俺だって別れねぇし」
裕の意地悪・・・
「あ、けど次俺以外の奴とキスしたら別れるかもな」
「もうしないもん!!」
「俺もう余裕なくしたくないから。さっきとか嫉妬でいっぱいだったし」
「裕が!?!?嫉妬してくれたの!?!?嬉しい!」
「お前・・・さっきやったこともう一回されたいのか??」
さっきのって・・・
キスですか!?!?!?!?
「いいいいいいいやっ!!いいです!!」
「んなあからさまに嫌がんなよ・・・」
「嫌がってないよ・・・。恥ずかしいだけ」
「ならいいけど。じゃあ俺仕事戻るわ」
「仕事抜け出してきたの!?・・・今日遅くなるって言ってたもんね」
「どっかの誰かさんが心配させるから抜け出してきたんだよなぁ」
あ、はい。
あたしが心配かけたんですよね。
てかあれって陽が勝手に言ったんじゃん。
「はいはい。ごめんなさいねー。じゃあ行ってらっしゃい」
「んじゃな。」

離婚危機は無事終わり、またラブラブな新婚生活に戻りました♪
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