彼は甘くてほろ苦い
「ところで・・・さ。その子・・・お腹の赤ちゃんの父親ってあいつだろ?なんで別れたんだよ」
あたしが知るか。
子供は迷惑とか言った奴のことなんか。
作ったのは裕なのに・・・。
・・・この子は悪くなんかないのに。

グスン

あたしは気づいたら泣いていた。
「裕ね・・・?子供・・・迷惑なんだって・・・」
ビックリしながら頷き、話を聞く陽。

「そんでね?子供がいるから別れたの。養育費は払うからってさ。あたしはそういうことじゃないんだけどね。・・・お金なんかいらない。この子に対して父親なんだっていうことをもってわかってほしんだ。愛し合って生まれたらそれはすごい最高のことじゃん?この子は愛されて生まれて来れないから・・・。あたしだけが愛していて、父親の裕には愛されてない。かわいそうだよ・・・。」

「実優・・・。あのさ・・・俺じゃ・・・俺じゃだめかな?俺がその子の父親になっちゃいけねぇかな?」

「え?陽?どーしたの?」

「俺まだ・・・実優のこと諦められねぇし・・・。そいつのいい加減さ許せねぇし。俺、お前とお腹の赤ちゃんのこと守りたいんだ。」

「陽・・・。気持ちは嬉しいけどね?陽の両親が許してくれないよ。16歳でバツ1でお腹には赤ちゃん。無理だっ「関係ねーだろ!?」え・・・?」

「俺が実優と赤ちゃんを守りたい。それだけのことじゃねーかよ。世間なんて・・・親なんて関係ねーよ」

この時の陽は強くて優しくて。
陽に恋しかけたのかもしれないね?
でもあたしは陽の気持ちには応えられないの。
ごめんね、陽・・・。
ありがとうね?
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