それでも君と、はじめての恋を


「からかって楽しかった?」

「っからかってなんか……!」


見上げた先に信用なんてものはなかった。在るのは怒りと、疑惑。


あたしを見下ろすモモの瞳は、今まで見たどの表情よりも冷たくて、怒っていた。


「……あたしが、顔狙いでモモに近付いたと思ってるの……?」


泣きそう。震える声で聞いても、モモは黙ってあたしを見下ろす。睨まれていると言ったほうがいいのかもしれない。


何となく思ってることが分かるようになってたはずなのに、今モモが何を思ってるのか全然分かんない。


……怖い。怖い。


モモに嫌われることが、こんなにも怖いなんて。


「……やっぱこれ、返しといて」


差し出された教科書が、あたしの問いを肯定した。あたしを信じてはくれないんだと、実感させる。


「……」


言葉の代わりに俯いて、受け取れないと全身で訴えた。


だって、受け取ったらモモが教室に戻っちゃう。誤解を解けなくなる。
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