それでも君と、はじめての恋を
「ていうか、渉って行動力ある方だと思うんだけど」
「……え。ないよ」
今これだけグズってるのに。
否定したあたしに視線を移して、葵はフッと鼻で笑う。
「いつもとは言わないけど、衝動的に行動するタイプじゃん?」
よく分からないけど、葵が言うならそうなのかと思った。
「――渉っ」
「あ、今日は化粧してんね。良かったー」
クラスメイトに呼ばれて、あたしは僅かに眉を寄せる。
「わー! ごめん! あの時はほんとにゴメン!」
モモに誤解された原因とは言わないけど、一因ではあるクラスメイトには、苦笑いしか返せない。
あの日、泣き止んでから教室に戻ると、ごめんと謝ってくれたけど、彼女達自身は気付いているのか微妙だった。
あたしは顔狙いじゃなく、本気で、本当に本当にモモが好きなんだってこと。
「明日さ、チョコ渡すんでしょ?」
「ほんと応援してるから!」
渡せる状況じゃないけどね。
「てか、この前はほんと焦ったけどさぁ。渉なら大丈夫だって~」
「そうだよ、渉ならすぐ巻き戻せるって!」
……うん、もう、聞き飽きたかな。