それでも君と、はじめての恋を


「……モモ」


コソッと小さい声で呼ぶと、モモは鋭い瞳にあたしを映す。


「その髪、かっこいい」


目を見開いたモモは、きっとキラキラした目をしてるあたしに困った顔を向けてから、自分の頭の上を指さした。


「カラフル」


多分シュシュのことを言ってるんだろうけど、あたしはその言葉の裏にある意味に笑顔を見せる。


結んでるだけだけど、いつもと違うねって。


カラフルな丸がいっぱいのシュシュを、可愛いって言ってくれてるんでしょ? 言ってないって? 言ってるの! それでいいの!


優しく口の端を上げたモモに、あたしの心にピンク色が溢れる。


春の桜よりも、モモの髪色よりも、もっともっと濃いピンク。


同じクラス。隣の席。これから1年、あたしはモモの姿を探さなくても、脚を伸ばして逢いに行かなくたっていいんだ。


信じられない。だけど嬉しい。


モモが隣に座ってるというリアルが、あたしを幸せな気持ちにさせる。



――幸せいっぱいの2年生。


あたしとモモは付き合って、もうすぐ2ヵ月。


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