それでも君と、はじめての恋を


「……つまり俺がダメってこと?」

「え!? 違う違う! そうじゃない! 無理に頑張らなくていい、って……それもちょっと違うな……」


言ってよって毎回迫ってるのはあたしなわけで、つまりモモに無理させてるのもあたしなわけで………。


「モモはそのままで良くて、あたしはモモに何か強要して困らせないように気を付けるってことっ!」


うん、多分、これでいいと思う。


「……気を付けるって、それは、そうなるから?」

「へ?」


まだ赤いであろうあたしの顔をジッと見つめるモモに、体温が再び急上昇。


「あ、ああ、そういうことにもなるのか、な?」


まさか嬉しいって言われただけで赤面しちゃうとは思わなかったけど、こんなことになるなら本当に気をつけよう。


モモはそのままでいい。

素直じゃなくて不器用なくらいがちょうどいい。あたしの心臓の為にも。


「ごめんねホント。毎回意味分かんないことで騒がしくて……」

「や、いいけど。……まあそうなるか」


少し間を置いて発せられた言葉は、ポツリと落とされた独り言みたいだった。


そのまま眉を寄せてどこか一点を見つめるモモに、なぜか『何が?』と聞けない。その内モモは額を押さえて軽く溜め息までついてしまった。


な、何? 何か、悩んでる?


……悩ませてる!?


「モッ……」

「――今まで」

「……え?」


呼び掛けと被った声を聞き直すと、モモはテーブルに頬杖をついたまま微動だにせず言う。
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