お前じゃない
「いいですよ。相変わらずこの部屋カギ壊れてますけど、じゃあここでゆっくり寝て下さいね! また明日。おやすみなさい」


 こうしてハルと二宮は部屋を代わった。

 部屋を代わってからハルは音も気にせず、社長の死因を考えながら、いつの間にか眠っていた。

 目を覚ますと、雷の音と窓に当たる雨音の激しさで、ビックリした。伸びをして、ベッドから下りると、「ふぁ〜」と欠伸をして部屋を出た。

 階段を降りていくと、ロビーには、久美子とだいちゃんしかいなかった。
 残りの人はまだ寝てるんだろう。


「ハル、久美子さんが、みんなの朝ご飯作ってくれたみたいだぞ。食堂に行ってようぜ。昨夜は雨と雷の音がうるさくて眠りが浅かったなぁ」


「音と言えば、昨夜二宮さんが、ポッコリ殿のイビキがうるさくて眠れないからって、部屋を代わったよ」


「この別荘って、部屋の壁が薄いのかしらねぇ」


 久美子はハルの話しに、少し笑った。

 そして、ハルとだいちゃんと久美子は食堂へ行った。

 食堂は綺麗に片付けてあり、朝ご飯が並べられている。まるで昨日の事が嘘みたいだった。
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