虹の都へ

君を忘れようか

目の前には、虹の胸で泣く瀬名さんと彼女を慰める虹。

あまりの光景に、あたしは何も言えなかった。


「高橋!」

その声に振り返ると、
「柊くん…」

あたしの目の前には、息を切らしている柊くんがいた。

「お前、どこ行こうとしてたんだよ?」

「えっ?」

言われて周りを見ると、『Juggling City』のネオン看板があった。

いつの間にか、戻ってきたらしい。

それも、無意識の状態で。

「つーか、何かあったの?」

「えっ?」
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