虹の都へ

落ち着いた大人の男

駅を出ると、地図を頼りに『Rainbow Capital』に向かった。

見たこともなければ、聞いたこともない土地。

おしゃれなお店やカフェが並んでいる。

例えるとするなら、異国の街。

その街並みにキョロキョロと首を動かしながら、あたしは目的の場所に向かった。

「あ、あれだ」

『Rainbow Capital』は、すぐに見つかった。

高層ビルと見間違えてしまいそうなくらいの、大きなマンションだった。

できたばかりと言うこともあり、壁が太陽に照らされてキラキラしている。

あたしはそれを見あげて眺めていた。

本当にあたしはここに住むんだなと、改めてそう思った。

家賃もバカにならないくらい高いかも知れないマンションに、あたしは住むんだな。
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