虹の都へ
瀬名さんは目をパチクリさせると、
「それは、どう言うことかしら?」

とぼけたように言われた。

「いえ、やっぱ結構です」

首を横に振りながら言った。

言って欲しくないんだか、それとも天然なんだか…瀬名さんはよくわからない。

「あ、それからあたし」

「何?」

「虹と、つきあうことになりました」

そう言ったあたしに瀬名さんは目を細めると、
「おめでとう」

形のいい唇から祝福の言葉が出てきた。
< 194 / 295 >

この作品をシェア

pagetop