虹の都へ

知らされる―Side 虹―

「はい、それでは」

ピッと、携帯電話を切った。

携帯電話をスーツのポケットにしまいながら、目の前のビルを見あげた。

『須藤建設』

俺の親父が社長として経営している建設会社だ。

そこで俺は身分を隠し、違う名字を名乗って社員として働いている。

いずれは俺も、親父の会社を継ぐことになるから勉強を兼ねて働いているのだ。

「さて」

俺は会社に入った。

入ったのと同時に、受付に見覚えのある人を見つけた。
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