虹の都へ
「元気だった?」

あたしは聞いた。

「ああ、瑞希の方も元気か?」

「うん、元気だよ…」

とうとう、あたしの目から涙がこぼれた。

「あたしたち、兄妹じゃなかったんだね」

「…親父から、聞いたのか?」

「うん、みんな聞いた。

虹のことも、全て」

「そうか…」

声が震えていたのは、虹も泣いているからなのだろうか?

「あたし、今から虹に会いに行くところなの」
< 289 / 295 >

この作品をシェア

pagetop