虹の都へ
初めて出会った日と、重なった。

懐かしい…。

懐かしくて、仕方がない…。

「――虹!」

あたしは叫んだ。

「――瑞希!」

虹が名前を呼んだ。

もう、迷わなくてもいい。

目の前にいるのは、あたしの愛しい人。

その胸に、あたしは飛び込んだ。

飛び込んだあたしを抱きしめる、優しい腕。

背中に手を回すと、虹の体温。

懐かしい…。
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