真紅の翼



体が風を切る感覚がわかった。

それと、

数々の不安から解き放たれる安心感を、

心の底から味わった。

死への恐怖は万に一つもない。

__生きていて何になるだろう


そう思いながら、

高速に彼女は落ちてゆく

段々と彼女の意識は遠のき、

やがて、何も考えられなくなった。
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