君、会いたい



所詮初恋なんて実らない

ってみんな言うけど、そんなのやってみなきゃ分かんないじゃん?





私は颯矢の足と足の間に座り、正面からギュッと抱きつく。



「颯矢?」

「ん?」



いつも私が抱きつくと、決まって背中に手を回し、一定のリズムで叩く颯矢。


まるで赤ちゃんをあやすように。


勿論、赤ちゃんじゃないよと言いたい所だけれど…丁度良い温もりが伝わってくる。


安心出きるような…そんな温もり。



「…だから、離れられないんだよ」


私はボソッと言ってみた。

「え?」


当然、聞こえてなんかいない。



「あのね…今日、また言われた」


ポツリと言った私に、颯矢は優しく「なんて言われたの?」と尋ねる。



「…いいよねそんな記憶能力がある人は勉強しなくて、だって」
< 2 / 23 >

この作品をシェア

pagetop