君、会いたい
所詮初恋なんて実らない
ってみんな言うけど、そんなのやってみなきゃ分かんないじゃん?
私は颯矢の足と足の間に座り、正面からギュッと抱きつく。
「颯矢?」
「ん?」
いつも私が抱きつくと、決まって背中に手を回し、一定のリズムで叩く颯矢。
まるで赤ちゃんをあやすように。
勿論、赤ちゃんじゃないよと言いたい所だけれど…丁度良い温もりが伝わってくる。
安心出きるような…そんな温もり。
「…だから、離れられないんだよ」
私はボソッと言ってみた。
「え?」
当然、聞こえてなんかいない。
「あのね…今日、また言われた」
ポツリと言った私に、颯矢は優しく「なんて言われたの?」と尋ねる。
「…いいよねそんな記憶能力がある人は勉強しなくて、だって」