ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 だがそこに兄貴はおらず、あの小洒落た中年店員に尋ねると、今日は休みだとニコリともせず答えた。


 肩を落としてうつむきがちに店を出ると、待ち構えていたかのように、昼間俺が事情聴取を受けた、まどかさんの事件担当の重光刑事が俺に近付いた。


 他にもう二人、仲間の刑事らしき若い男を引き連れていた。


 俺が顔を上げると、


「有坂さん、あなたに蔦山まどかさんの殺害容疑がかかっている。さらに詳しく事情をお聞きしたいので署までご同行願えますか?」


 明らかに俺より年上であろうその人は、不自然な程丁寧に言葉を選んでそう言った。


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