ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 素早く兄貴は、仰向けに横たわる俺を跨いで片膝を付いてしゃがみ、俺から奪い取った銃を両手で俺の目の前に構え、俺の視界が銃口でほぼ埋め尽くされた。


「皆人、お前みたいなドン臭いヤツが、至近距離から敵を狙うのは利口じゃないな。せめて相手の手足が届かない位置まで離れるべきだ。」


 そう言って兄貴は優しく微笑んだ。


「撃てよ…俺を殺せ。」


 そんな俺を小馬鹿にしたアドバイスなど無視して、精一杯兄貴を挑発してみた。


「頭を冷やせ、皆人。」


 兄貴が少し困惑した表情を見せた。


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