ロシアンルーレット【コミカルアクション】


 建物の外は、無数の機動隊に包囲されており、緊迫した空気が張り詰める中、隊員達は突入の合図を待っていた。


 先頭切って、桜庭が両手を頭の上で左右に振りながら出て行くと、一気にその緊張は解き放たれた。


 桜庭に続いて俺も外に出た。


 兄貴にはノアがいる。


 他の容疑者は、親父や中島、ノアを連れてやって来た男も含め、谷口達がきちんと拘束して連れ出すだろうし。


 機動隊の中に、いかにも寝ている所を叩き起こされてやって来たと言わんばかりの、上下ジャージ姿の男がいて、やたらに浮き上がって見えた。


 男はすぐに俺に駆け寄ると、


「何だか良くわかんねーけど…大変だったなぁ、皆人。」


 今俺が一番愛しい人、良治が俺の肩に右手を掛けながら優しく言った。


「お前…何でここに?」


 俺が小さく声を絞り出して尋ねると、


「赤城課長に、今すぐ皆人んとこ行ってやれって一方的に言われてよー。爆眠中だったのに、全く、迷惑な話だぜ。」


 悪戯に笑いながら、憎まれ口を叩いた。


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