ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 もうその時点で、他の二人は塀の上によじ登っており、そのうちの一人が塀のすぐ傍の大木に飛び移った。


 忍者のような軽い身のこなしに、またしても危機感なく子供のように興奮した。


 兄貴も他の二人同様、軽々と塀の上に登り、それに続いたが登りきれずにもたもたする俺の上着を掴むと乱暴に引き上げた。


 木へは何とか移れたが、木からベランダへがこれまた遠かった。


 俺以外の三人は次々と飛び移り、難なくベランダに到着。


 が、俺はほんの少し距離が足りず、手は手すりを掴んだが足が届かずに宙吊りになった。


 兄貴が綺麗な顔が崩れる程しかめて舌打ちし、またしても俺の服を乱暴に掴んで勢い良く引っ張った。


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