現実RPG2
これは、簡単に解放できなくなった。


一旦、引き下がった方がよさそうだ。


もしもルイが敵だった場合、取り返しのつかないことになりそうだ。


拓馬が困惑していると、ルイがルカに笑い声を上げた。


「ハハハ。ルカ、苦しい嘘は、よせ」


その言葉に、ルイを見る拓馬。


ルイは、拓馬の目を見ると続けた。


「拓馬、安心しろ。マーダーは、解放なんかしない」


「え?」


「だって、もともと解放されてるからな」


「え?!」


「嘘じゃない。まるで封印されてるような言い方だったけど……普通にその辺を歩いてるよ。行けばわかる。行けば、俺が本当のことを言ってるってわかる」


ルイが言い終わると、再びルカを見る拓馬。


ルカは何か言いたそうに、ずっと歯を食いしばっている。


まるで、野獣のような表情だ。


そのとき、ルカがゆっくりと口を開いた。


「違う……違うよ、拓馬!マーダーを倒したら、ダメなの!」


そのルカの言葉には、さすがの拓馬でも目が点になった。


……ダメ?理由もなく、急にどういうことだ。


「何で、倒すとダメなんだ?」


拓馬がルカに聞く。
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