現実RPG2
NEXT STAGE
拓馬が路上でタバコを吹かしていると、一台の黒い車が到着した。


「拓馬様。お迎えに上がりました」


「遅ぇんだよ」


拓馬が車に乗り込むと、発車した。


車の中には、拓馬以外に運転手、黒服のサングラス、そして金の入れ歯の男が乗っていた。


「任務は、片付いたか?」


金の入れ歯の男が言う。


「はい。カメラも、ばっちりです」


拓馬がクロを抱えながら、無気力に答える。


「ジェネラルが、血迷って、一度カメラを壊しました。ですが、すぐに薬草で直しました」


「よくやった。撮影できていないと、意味がないからな。それよりお前には、次の任務に向かってもらう」


「次の任務?」


「とある議員が、邪魔だ。消してもらいたい」


「わかりました。で、ゲームは?」


「『現実アクションゲーム』だ。ここに潜入し、お前はクリアを目指すと同時に議員殺害の任務を平行しろ」


「了解しました。しかし、お言葉ですが……」


「何だ?わしに、意見しようと言うのか?」


「いえ、申し訳ありませんでした……」


俯く拓馬。このままでは、ヤバイ。現実とゲームが融合してきている。


ルイに、俺の体を触られなくて良かった……。触ると、透ける。そうなれば、バレる可能性もある。


同じ場所なのに、同じ場所ではないのだから。


ルイに問いかけたことで、決定的だった。


俺は確かにゲームの世界に居たが、ルイは確実に現実の世界に居た。


ルイは現実の世界で、ゲームの相手と戦っていた。


「おい、拓馬。何を企んでいる」


その様子に気づき、金の入れ歯の男が問いかけてきた。


「いえ、そんな……滅相もない」


「余計なことは考えるな。両親を、殺されたくなかったらな」


「承知しています」


まだ、希望は……ある。ルイとルカという、二人の希望が。


―第2章、完―
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