現実RPG2
「ハァ!」


勢いよく剣を振るルイ。しかしダークソルジャーは身をかわし、ルイに切りかかった。


ザン!


ダークソルジャーの剣はルイの鎧にヒットした。その衝撃に、ルイの体は後ろへ吹っ飛んだ。


「ぐっ!」


マズイ。予想以上に強い。仕方ない……


ルイは地面に手をかざすと、呪文を唱えた。


「ボルガノン!」


その言葉と同時に、ルイの手から火柱が剛速球で地面を伝い、ダークソルジャーを火だるまにした。


ダークソルジャーはバタリと倒れると、動かなくなった。


「ちっ……また、魔法を使っちまった……」


いや、今はそれどころではない。


拓馬には、武器が無い。だとすると、戦闘手段は魔法しかない。俺が守らないと……。


行くしかない。警察署へ。拓馬はモンスターを避けながら、警察署へ向かっているはずだ。


今から行けば、まだ間に合う。先回りできる。そのときだった。


ピピピピピ……


腕時計の音。


「畜生!」


慌てて液晶を確認するルイ。近くまで、ルカが来ている。


ガチガチと震え出すルイ。もう、煙玉が無い。ルカに出会ったら、終わってしまう。


辺りを見渡すと、コンビニがある。その駐車場の隅に、ルイは一つの『草』を置いた。


「頼む、気づけ、拓馬……」


ルイは悔しそうに、警察署と逆方向へ走り出した。
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