現実RPG2
一瞬の動揺を突き、ルイはルカの手を払った。


解放されたルイは、全力疾走で廃ビルを脱出した。「覚えてなさいよ」とルカの声が聞こえる。


ある程度走ると、ルイは腕時計を確認した。地図上に、ルカの姿はない。


どうやら、逃げ切ったようだ。


「フー、危なかった……」


さて。問題は、拓馬の居場所だ。


どこにいるんだ、拓馬……。


そうだ、拓馬の気持ちになって考えてみよう。


いきなり家にモンスターが来たはずだ。武器が無い拓馬は当然、逃げるはず。


どこへ……?友達の家?いや、そんなものを頼っても仕方が無いというくらいわかるだろう。だとすると……


警察か。おそらく、警察署に行ったはずだ。それしか頼るものはないだろう。


この辺には、確か一時間程歩いたところに警察署があったはず。


行ってみるか……でも、さっきパトカーから逃げてしまった。俺はすでに、怪しまれている……


「どうすればいい……」


考えていた、そのときだった。


何者かに、背後を取られている。


「くっ!」


勢いよく振り返るルイ。そこには、黒色のガイコツの姿があった。


片手に大きな剣を持ち、鋭い目でこちらをギロッと睨んでいる。


「ダークソルジャー……」


コイツは強い。ソルジャーの数倍の強さ。


俺が、敵うのか……?
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