現実RPG2
とにかく、中に入ってみる拓馬。


今は水分補給をしないと、脱水症状を起こしかねない。


飲み物コーナーへ行くと、そこにはジュースやコーヒーなど、普通のコンビニのように商品が並んでいた。


「助かった……」


ペットボトルに入った1リットルの水を手に取ろうとした、そのときだった。


「くっ……」


泣き出す拓馬。


違う……これは、飲める水じゃない……それっぽく作った、見本だ。


「水もないのかよ……どういうことだよ、おい!」


思わず、叫んでしまう拓馬。


そのとき、ゲームの世界での出来事を思い出す。


「そういえば、ゲームの世界では、買わないと手に入らなかったな……」


もしかして、買えば手に入るのか?


そう思った拓馬は、レジへ向かった。


店員の女の子が拓馬に気づき、挨拶をしてくる。


「いらっしゃいませ」


相変わらず、気持ちの悪い声だ。まるで、機械だ。


「水をくれ」


枯れた声でドキドキしながら聞く拓馬。


ここで買えないと、水分補給の手段がない。


こんなに喉がカラカラでは、もう走れない。


頼む……


「こちらでよろしいでしょうか」


来た……水だ!どこからともなく、水を出しやがった!本物だ!本物の水だ!
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