現実RPG2
「どうなってんだ!どうなってんだよ!」


腰が抜けた。立てない。


慌てて後ずさる拓馬。


「おい、やめろ!やめろ!」


ここには、武器がない。


例え武器があっても、ここはゲームの中ではない。生身の人間が剣を持ったところで、ボーンには敵わない。


絶望的な状況の中、絶望を思い出す。


『ガイコツ系は、仲間を呼ぶ。』


ガチガチと震え、怯える拓馬。まるで痙攣しているようだ。こんな状況では、確実に殺される。


「そうだ、警察!」


その手があった。ゲームの中と違い、現実の世界にはスケットがいる。奴らは鉄砲、ミサイル、何でもアリだ。こいつらくらい、あっという間に倒してくれる。


拓馬はポケットから慌てて携帯電話を取り出した。


その瞬間、ドアが開いた。


ガチャッ……


「あ……」


何でだよ。鍵、掛けてただろ。


「あ、あ……」


まるで水を失った魚のように、口をパクパクさせる拓馬。


目の前に、ボーンが立っている。


「うぁ……うわぁああ!」


拓馬は這いずりながらキッチンへ行くと、包丁を手に取って両手でグッと握った。


「ハァ、ハァ……」


涙目になりながら、荒い呼吸を繰り返す拓馬。


「くそっ……何なんだよ……これ……」


そのとき、ボーンが剣を振り上げた。拓馬目掛けて、勢いよく振り下ろす。


「うわああ!」
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