現実RPG2
「は?本当か!今、どこだ!」


血相を変えて問い質すルイ。


「もうとっくに出て行っちまったよ。急用が出来たんだと」


「何で引きとめねぇんだよ!俺が必死に探してんの、知ってんだろ!」


「引き止めたさ。どうやらモンスターに追われてるみたいだったから、警察を呼ぶふりしてな。でも、なんだかなぁ……怪しまれちまって、逃げられた」


「バカ、力づくにでも引きとめろよ!」


「できることならそうしたかったさ。でも、俺が気づいたときにはもう外に飛び出しちまってた。あそこで追いかけることもできたが……走って逃げられたら、若いモンの足についていく自信はない。追いかけてまで捕まえられなかったら、完全に怪しまれるだろ」


「だからって、せっかく来たのによ……」


「今なら、まだ半信半疑かもしれない。また、拓馬君が尋ねてくる可能性だってある。なんせ、あの子にとったら、俺以外に頼るものがないんだからな。他に人がいないんだから。でもあそこで力任せに引き止めて失敗したら、全てが終わる。拓馬君は、二度と尋ねてこない」


そう言われると、言葉を失うルイ。


沈黙していると、オヤジが再び口を開いた。


「……それより大丈夫なのか、お前?」


「……は?何がだよ」


「1章で、拓馬君にひどいことをしたんだろ。それで、お前を信用するとは思わないが」


「だから、あれは仕方のないことだったんだよ」
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