現実RPG2
「ハァ、ハァ……」


とうとう体力の限界が来た。


超人的な肉体を持っていると言えど、さすがに朝まで走りっ放しはキツイ。


ルイは家の近くの公園に入ると、ブランコに腰をかけた。


「くそっ……」


右拳を自分のヒザに思い切りぶつける。見つからなかった……


だが、まだ可能性はある。


もしルイを敵だと判断しているなら、最終的に拓馬の思考はこうなるはず。


ルイを倒すことが、今回のゲームのクリア方法。


そうなれば、拓馬はルイに勝負を仕掛けるしかない。


そのときだ。チャンスは、そのとき。


どの道、魔法が使えない拓馬にルイを倒すことは不可能。


だとすれば、まず力ずくで拓馬を押さえ、それからじっくり話をすればいい。


納得してくれるかはわからないが、とりあえず話してみないことには始まらない。


そうだ。俺が探す必要はないんだ。


拓馬は、俺がこっちの世界にいることを知った。


ならば、奴から向かってくる日が必ず来る。


そうしないと、ゲームは終わらないと思っているんだから。


当初の目的は、敵から拓馬を守ることだった。


しかし、それはもう無理だろう。


だったら、拓馬に生きてもらうしかない。


自分だけの力で、この魔物の巣窟の中を。
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