現実RPG2
ただただ怯えるクロに、今度は手のひらをかざした。


モンスターの手から、黒色の弾が現れる。


ヤバイ!


「クロ!」


拓馬は咄嗟に、クロを助けに飛び出した。


「ハハハハ。やっぱり居たか」


モンスターはクロへの攻撃をやめると、拓馬に言った。


「くそっ!何なんだ、お前!」


震える声で叫ぶ拓馬。


「私は、ガクラと言う。お前が、拓馬か?」


「何で、俺の名を……」


「大魔法使い、リーダー、拓馬。知らないわけが無かろう」


光魔法の拓馬。確か、一章でそう言われた。


「わけわかんねぇんだよ!」


そう叫ぶと、背後を確認する拓馬。


ここは、一本道。


逃げるなら、後ろへ走るしかない。


果たして、コイツと俺、どっちが速いか……


このガクラとか言うモンスターの方が速ければ、俺は終わり。


いちかばちか。


「クロ、走れ!」


その言葉と同時に、勢いよく後ろを振り返って走り出そうとする拓馬。


「あ……?」


しかしそこには、ガクラの姿があった。


「どうなってんだよ……」


さっきガクラが居た方向を振り返る拓馬。

しかし、そこにはガクラの姿は無い。


一瞬で、背後を取られた……


気配は、無かった。まるで、瞬間移動だ。
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