現実RPG2
「そんなこと言ったって、他を知らねぇよ!」


「手を空にかざして、ホーリーレインって言ってみて」


「え?」


「いいから、早く」


言われるがまま、拓馬はクロを下ろすと両手を空に向けた。


「ホーリーレイン」


そう言った瞬間、空から無数の光の雨が落ちてくる。


「うわっ……何だ、これ」


自分で出して、驚く拓馬。光の雨はミイラ男の全身を何十発も撃ち貫いた。


全身穴だらけになったミイラ男は、ロボットのようにカクカクと静止し、バタリと倒れて動かなくなった。


「すげぇ……」


自分の両手を見て、笑顔で呟く拓馬。


「この調子なら、少し戦えば大丈夫そうね。色々教えてあげるから、ある程度モノにできたら、ルイを倒しに行きましょう」


強く頷く拓馬。


何だ、何だ。俺ってこんなに強い魔法、使えるのか。案外、二章は楽勝じゃん。


「じゃあ、とりあえず適当に歩いてモンスターを探しましょうか」


「そうだな」


再びクロを抱えると、先陣を切って歩く拓馬。


さっきまでビクビク怯えていたのに、今はモンスターを狩る立場。


自然に、笑顔がこみ上げてきた。
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