現実RPG2
ルカは、さっと腕に付けたレーダーを見た。


ルイが、小さい光の点で表示されている。


その点がどんどん中心から離れていく。


ダメだ……もう、遠すぎる……。


ここは、もう一度拓馬を説得して、仲間にしておいたほうが懸命だ。


ルカは表情を和らげると、拓馬に優しく言った。


「悪かったわ。でも、進んでいくうちに私が正しいってことがわかるからね」


「ああ。俺もそうは思ってる」


「だったら……」


今信じてくれてもいいじゃない。そう口にしかけたが、やめた。


今、口論しても、無駄だとわかった。


ルカは腕のレーダーを確認すると、拓馬に言う。


「まだ、そんなに遠くへは行ってないみたいね。でも、後ろから追っても逃げられる。奴も、私と同じレーダーを持ってるからね。一人が回り込んで、挟み撃ちにするのはどう?」


大丈夫。拓馬は、ルイを殺さない。


倒せたとしても、半殺し程度。


人を殺したことがない人間が、そう簡単に殺せるはずがない。


「私は、このままルイを追うわ。あなたは、この先の抜け道を通って裏から」


「いやだ」


「……え?」


「もう、お前とも行動できない」
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