現実RPG2
「……え、何言ってるの、拓馬?」


「ルイが言ってたことが本当だったら、どうする。俺は、敵と一緒に行動してることになるんだぞ」


「くっ……」


当たり前か。ちくしょう……。


「でも、あなた一人でどうするの。レーダーもないんじゃ、これからどうするの?」


「わかんねぇ。とりあえず、少し一人になって考えたい。どっちが敵かわかんねぇ今の状況なら少なくとも、お前といるよりは安全だ。それに……ルイは、敵か味方かは別として、とにかく俺を狙ってる。一人でいても、ルイにはまた会える」


「……わかったわよ。勝手にしなさい」


「じゃあな」


と、クロを抱えながら歩き去って行く拓馬。


後をつけようとしたが、それではルイのレーダーに、ルカの姿が映ってしまう。


そうなると、ルイは拓馬に近づけない。


何か方法を考えて、ルイが拓馬に接触する前にルイを見つけないと……。


……大丈夫。ルイさえ拘束できれば、まだ突破口はある。


どこから監視してるのはわからないけど…この世に一つだけ、絶対に組織に監視されない場所がある。


あそこにルイを連れていけたら、私の勝ち。


……お兄ちゃん……


ルカは、拓馬とは反対方向に歩き出した。
< 85 / 129 >

この作品をシェア

pagetop