Dangereuses hospital
final chapter
焼け付くような痛み。

これまでの人生で経験した事のない痛みが、背部を襲う。

これが、『撃たれた』痛み。

痛いというよりは熱いに近い。

考えてみれば当然だ。

火薬によって撃ち出された鉛の弾が、体内にめり込むのだから。

ガクリと膝をつき、くず折れる俺。

「恭一っっ!」

まだ拘束を解かれていないままのハルカが、血相を変えて叫んだ。

何事か返事してやりたいのは山々だが、言葉が出ない。

それ程の苦痛だった。

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