グレスト王国物語
その中に佇んでいた女神は、ひとり。

やがて、ゆっくりと微笑んだ。

「…皆、聞いてた?」

闇の中に、気配が混じる。

姿は見えぬ女神たちの気配。

それらは闇の中でゆっくりと溶け合ってひとつになると、静かに光り輝いた。

そして、その光の中から、一滴の刃(やいば)が滴り落ちた。

女神(ひかり)は、言った。

―さあ、行こう。
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