street love
病院から少し歩くと
大きな公園がある。

ここは夜になると恋人のデートスポットとして有名な場所。


「美波ちゃん、お待たせ。はい」


響は公園内にある自販機で、温かい飲み物を買って来て
美波に渡した。


「ありがとう」

「あそこに座ろうか」


二人はベンチに座って話す事にした。


「あの…」


気まずそうに美波が喋り出す。


「ん?」


響は顔だけ美波に向けた。


「私…この前、やっと話して、彼と別れたの」

「相手、納得してくれたの?」

「うん。お互い納得して……でも別れたからってすぐ別の人と付き合っちゃうのは…」

「………」

「ずっと考えてた。ヒビキ君と今日偶然会うまで…出会った頃は正直よく、ヒビキ君の事分からなかった。けれど今は段々分かってきたような気がするの。ヒビキ君、他の人と違って少し変わったとこあるけど優しいし……一緒に居て何だか安心出来る」

「俺もキミといると、そんな気持ちになるよ」

「………私、ヒビキ君の事好きになった…」

「美波ちゃん」


思わず響は美波を抱き締めた。
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