ミッドナイト・スクール
顔面血みどろで、両方の目が落ち窪んだ姿は、紛れも無くゾンビとしか形容できないものだった。
「くそう、種田までがやられたのか」
「和哉君、来るわ!」
ユリの声で和哉はバットを構えた。
「メメ……メダマ」
ゾンビと化した種田が、ステージ下へと辿り着いた。
「きゃあああ」
種田の顔を見た魅奈が信二に抱き着く。
「信二、下がってな」
後ずさる二人と入れ代わるように、冴子が前に出る。
「うおりゃあ!」
ゴキーッ!
ステージ上から振り下ろした和哉のバットは、種田の脳天をたたき割った。
和哉の腕に不快感が伝わる。
「ギエエエ!」
うつ伏せに崩折れた種田は、しばらくピクリピクリと痙攣した後、動かなくなった。
「ふううう、よし、行こうぜ」
「待って和哉、バットを貸して」
「……あ? 別にいいけど、何に使うんだよ?」
和哉は冴子にバットを手渡した。
「うん、ちょっとね」
先頭の後藤が、種田の脇を通ろうとした時。
……突然! 冴子がステージから高く跳んだ。
そして……種田の真上から落下する。
ズドン!
「ギィヤアアアア!」
すると、死んだと思っていた種田が今までにない大きな断末魔を上げた。ジタバタともがく手足は、背中に乗っている冴子には届かない。
「……やっぱりね」
今度こそ本当に動かなくなったのを確認すると、冴子はバットを種田の背中(心臓を貫いたようだ)から引き抜いた。
「こいつ死んだふりしてたよ。ゴッチーが通ろうとした時を狙っていたんだ。ゾンビになってもずる賢い奴だな」
「ひえー、でも、どうして死んだふりってわかったんだ?」
不思議そうに和哉が尋ねた。
「別に、ただ、よく映画なんかでゾンビを倒すには頭、目、それから心臓。どれかを破壊するケースが殆どだから、念のため心臓を潰したのさ」
「へえ、さすがだな冴子」
二人のお陰でピンチを乗り切った訳だが、この会話を聞いて、信二と魅奈は、普段と違うこの二人の行動に驚きと、そして少しばかりの恐怖を感じていた。
「さて、まずは学校内を調べるんだ。そして怪しい部屋がないかどうかと、脱出経路を探すんだ」
「くそう、種田までがやられたのか」
「和哉君、来るわ!」
ユリの声で和哉はバットを構えた。
「メメ……メダマ」
ゾンビと化した種田が、ステージ下へと辿り着いた。
「きゃあああ」
種田の顔を見た魅奈が信二に抱き着く。
「信二、下がってな」
後ずさる二人と入れ代わるように、冴子が前に出る。
「うおりゃあ!」
ゴキーッ!
ステージ上から振り下ろした和哉のバットは、種田の脳天をたたき割った。
和哉の腕に不快感が伝わる。
「ギエエエ!」
うつ伏せに崩折れた種田は、しばらくピクリピクリと痙攣した後、動かなくなった。
「ふううう、よし、行こうぜ」
「待って和哉、バットを貸して」
「……あ? 別にいいけど、何に使うんだよ?」
和哉は冴子にバットを手渡した。
「うん、ちょっとね」
先頭の後藤が、種田の脇を通ろうとした時。
……突然! 冴子がステージから高く跳んだ。
そして……種田の真上から落下する。
ズドン!
「ギィヤアアアア!」
すると、死んだと思っていた種田が今までにない大きな断末魔を上げた。ジタバタともがく手足は、背中に乗っている冴子には届かない。
「……やっぱりね」
今度こそ本当に動かなくなったのを確認すると、冴子はバットを種田の背中(心臓を貫いたようだ)から引き抜いた。
「こいつ死んだふりしてたよ。ゴッチーが通ろうとした時を狙っていたんだ。ゾンビになってもずる賢い奴だな」
「ひえー、でも、どうして死んだふりってわかったんだ?」
不思議そうに和哉が尋ねた。
「別に、ただ、よく映画なんかでゾンビを倒すには頭、目、それから心臓。どれかを破壊するケースが殆どだから、念のため心臓を潰したのさ」
「へえ、さすがだな冴子」
二人のお陰でピンチを乗り切った訳だが、この会話を聞いて、信二と魅奈は、普段と違うこの二人の行動に驚きと、そして少しばかりの恐怖を感じていた。
「さて、まずは学校内を調べるんだ。そして怪しい部屋がないかどうかと、脱出経路を探すんだ」