男子敵対復讐令!


「もう吹っ切れたのか?」


「ああ、おかげさまでな。」


彼はそう言って、あたしに紙袋を渡す。



「これ、いろいろ世話になったお詫び。


出来たてだから早めに食えよ?うめーんだから。」



「何入ってんだ?」


「アンドーナッツ。学校の近くの餡蜜屋の新商品だ♪」


彼はそう言って、とびっきりの笑顔で笑った。



「…嫌がらせですか?」


「ちげぇーよ!何言うんだ!!食ってみ?マジでうめぇから!!」


必死でその旨さを伝えようとする常葉にあたしはつい笑ってしまった。


「はいはい、食べますよ。」


「・・・・。」


無言になる常葉飛鳥。



「どうした?」


「いや…お前、普通に笑ってたほうがいいって…。」



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