嘘愛歌
『あ、そうですか。じゃあ帰ってはいかがですか。』
ポロッと、意識せずに出てしまった言葉に
空気が冷えた。
まずい。
調子に乗ってしまった。
「てめぇごらぁー!!若様になんちゅう口の聞き方するんやぁ!!」
ひいぃぃぃぃぃーー
運転席に座る強面の鬼を具現化した様な
お兄さまは、
その強面を最大限に活かし、私に威嚇した。
いや、車内の出来事な訳で
若様(他称)に隠れて顔が半分しか見えないんですがね、それでも免疫がない私は怖いわけですよ。
なんていうか独特のオーラが。
「渡瀬うるさい」
…
この男、私を庇ってくれたのかも。