嘘愛歌
「若、着きました」
さすが高級車。
停車時の揺れも少ない。
「明日の朝、連絡よこす」
そう言って車を降りる男に続き、私も降りる。
…何このバカ高そうなホテル
ビジネスホテルでしょうよ。
「いくぞ」
と言い手を掴んで歩きだす若。
…実を言うと、
断ってもしつこそうなので
ホテルに着いたら逃げようと思っていたんだけど。
…チッ、勘づかれたか。
『あの、手…』
「あぁ、うん」
うんってなんだよ
『離してもらえませんか』
鬼(強面の兄ちゃん)がいないお陰で
徐々に調子に乗り始める私、
「なんで」
よりさらに強敵な強者。