暁の王は翡翠の姫に永遠の愛を紡ぐ
“それは本当に相手のため?ーーちがうよね。本当は自分が、傷つきたくないからなんじゃないの”


身体の芯から冷えていくような感覚。


ちがう、とさっきのようにすぐ否定できなかった。自分に嘘をついて、無理やり納得しようとしていたーーそうすることで、自分を守ろうとしていた。


ーーリオンといて楽しかった。でも……足枷になりたくない


「……ごめん、なんでもない」


嫌われたくない。


綺麗な風景も。


美味しいはずの朝食も。


今は、楽しくないーー



< 17 / 30 >

この作品をシェア

pagetop