【短】最高の一日



「聞いてもらったら、大分楽になったよ」


私はわざと明るくそう言った。


本当はまだ完全に立ち直った
わけじゃないけど、これ以上
相楽に迷惑は掛けられない。


そう思ってチラリと相楽を見ると……




(…………?)


何か考え事をしているのか、
彼は気難しそうな顔をしていた。


私の声すらも、
聞こえていなかったようだ。




「相「……か」


私の呼び掛けは相楽の小さな
呟きによって遮られた。


「え、今何て――――……?」


私が聞き返すと、相楽はもう一度、
今度はさっきよりも少し
大きい声で言った。




.
< 20 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop