野獣、時々、王子様。



「ちょ、ちょっと!」


「いいじゃん。ちょっとぐらい」


「離してください」



もがこうとすると力が強くなる。



「気持ちよくしてくれよ」

そう言って唇が重なった。



「ん…っ。んんっ」


何度も何度も角度を変えて。


求めるように、熱く、苦しいキス。


「や、やめっ…や…だっ!」

私は大杉を突き放して無我夢中で走った。
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