野獣、時々、王子様。



「ほらほら、立って!」


私は雄大と大杉の腕を掴み二人を立たせた。



「まじで走んの?」


「うん。当たり前じゃん」


「俺ら、傷だらけ。見てわかる?」


「わかる!わかるけどさ~気持ちいよ?」


「……はぁ」


「ため息ついたら幸せ逃げる!」


「はいはい。じゃあ走るか」


「やったーーーっ」



やっと走ってくれる。

ねばったかいがあった。



そして私たちは夕日に向かって走った。
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