ゆずいろ


こそっと抜け出したからもうみんなは行っちゃっただろうか……


当たりは真っ暗。
場所も分からなかった。



「…柚衣!!」

こっそり抜け出した私の肩に手をおくのは、涼。


私はただただ驚いていた。


「……大丈夫か…」


具合悪いのに気付いて追っかけてくれたのが、たまらなく嬉しい。


「…いやぁ。昨日雨降っただろ?だから、花火に火つかいみたいでさ………フラフラしてたら柚衣見つけたんだ。」



何も見なかったように、手をひらひらさせる涼。

………優しいんだな、涼って。


有香たちの話もあり急にどきどきする私………




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