ゆずいろ
なついろ=ふたりの夏休み=
涼と付き合いだしてから、ちょうど一週間後、夏休みが始まった。
涼はテニス部の副キャプ、私は論学部の副部長、あわせに体育祭のダンス委員……てなわけで遊べる暇なんかなかった。
「っしゃぁー!!!!」
コートで点を決めまくる涼を教室からよく見ていた。
「強いよねぇ…涼くんって」
いつの間にか隣にいた、同じダンス委員の有香が言った。
「だねぇ。なんで私なんだか…はぁ。」
涼は本当に何でもできる。
天才じゃなく、努力の塊。
私なんか……
私なんか……
「はぁぁぁぁぁ」
またため息がでる。
「何言ってるん?一年で副部長ちゆずたんも頑張ってるじゃん!!!」
「有香ぁ」
私は有香に抱きつく。
「私頑張る~」