one's ~いつかの空へ~
放課後。
まだ部活に入っていない僕は、この時間を大抵図書室で過ごしている。
気が付くと本当に一日中、本を読んでいる。
夢中になって読んでいると、時間は6時を過ぎていた。
この学校の図書室は6時に閉館なので、退室しなければならない。
慌てて僕は読んでいた本を棚に返して、図書室のカウンターに座っている用務員のおばさんに挨拶した。
すると用務員のおばさんはニッコリと微笑んだ。
『そんな慌てなくても大丈夫だよ、ちょっとくらい遅くなってもいいから』
『あ…はい、ありがとうございます』