one's ~いつかの空へ~
両端が少し上がった柔らかそうな唇。
彼女の微笑みは、さしずめ天使の微笑みと言っても過言ではなかった。
『…あ、いや、何でもないよ。白山 浩輝です、よろしく…』
ちょっと間を置いて僕は答えた。
彼女はまたニッコリと微笑んで、顔を黒板の方へ戻した。
何故か僕はほっとして、同じ様に黒板へと顔を戻した。
少し時間を置いて、自分の気持ちが落ち着いてきた頃、僕は自分の身に起きた事をようやく理解した。
…この子の事、好きなんだ。