黒の生け贄。〜悪魔は笑う〜
美島図書館は島で唯一の図書館で周りは山に囲まれていてちょっと幻想的でカッコいいと私は思うのだ。





私が産まれる前からあるのに真新しい外見で中も綺麗で色々と種類も豊富なのだ。





私は図書館に入り急いで号君を探す、ここで号君を見失うと元も子もないのだ。


号君が窓側の人気のない場所で魔女の裁判、サクリファイス、集団自殺、医学系、その他の本を机の上に重て読んでいるのを私は見つけた。




私は横の本棚の隙間から号君の表情を目の当たりにした。



私はこの時、初めて号君の趣味を知ったのだが、誰にでもある趣味の1つなので気にはしなかったが、無表情で淡々と読んでいる号君の姿が冷たく体温を失った人間のように私には見えて背中がゾクッとした。





号君は時間を忘れたように次々と山積みにした本を読んでいた。



私はそんな号君を見ていると単なる気のせいではないかと思い始めた、確かに号君の趣味には衝撃を受けたが、それと伴い疑いは晴れたのも確かだ。





号君の生け贄の知識の豊富さは図書館での知識なのだろう。



それなら、納得できると私は思いながら号君を疑ったという事実に恥ずかしくなった。



しかし、そんな私の思いを消し去る出来事が起こったのだ。



号君は本を見ながらニヤニヤと薄気味笑いをしていたのだ。



本の題名はわからないが異常な笑いに私の膝が笑い出した、その時の私には号君が暗闇の中で何かを楽しんでいるように見えた。



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