黒の生け贄。〜悪魔は笑う〜
私は二階の号君の部屋で寝ることになっている。



元々は美千代さんの寝室で一緒に寝る予定だったのだが、それでは浩司さんがリビングのソファーで寝なければならないという状況になるので私は号君の部屋を貸してもらうことにしたのだ。



号君の部屋は綺麗というよりも物があまりなく殺風景だと思った。



ベットに寝転がると布団から号君の匂いがして、私は号君に抱き締められているような感覚になった。



ふと、勉強机を見たら右側の鍵付きの引き出しが気になり、私は徐に勉強机の鍵付きの引き出しに手を掛けたのだが鍵が掛かっているため開かなかった。



私は机の周辺を探したが鍵が見つからず、椅子に座ってブラブラと体を揺らしていたら金属が落ちる音が私の真下で聞こえた。



腰を折って椅子の周辺を調べたら、歪な形の金属が転がっていた。



その歪な金属は鍵らしく、持つ所は平べったくて丸く、先端はでこぼことしている。
鍵にはNO,2と彫られていることからスペアキーだろうと私は思った。



鍵には少し粘着性があり、指がぬめっとした。
椅子の裏を覗くとガムテープがひらひらとぶら下がっていた。
椅子の裏にガムテープで鍵を覆って隠していたのだろう。



私は鍵付きの引き出しの鍵穴に拾った鍵を挿し込み右側に捻ったらロックが外れる音が鳴った。
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