新春対談
ラウンジにて
太陽の光の加減か、朝はくっきりと見えていた富士山も、かなり霞んでしまい、見えづらくなっている。

ラウンジに入ると、流石に高級感が漂い、なんとも落ち着いた雰囲気だ。

天井中央には大きなシャンデリアが、輝いており、フロア中央にはグランドピアノが置かれている。

時間によっては、演奏を聴きながら食事もできるのだろう。

食事を食べながら、さっきの続きの対談が始まった。

栄三 「万里さんの理想像の美月を妻にできた私は、かなりの果報者ということですね」

美月 「それは、わからないわよ。栄三さんが私と一緒にいてずっと幸せだと思って下さるかどうかにかかっているんですから」

万里 「そうですね。僕としては、お二人の結婚生活を描いていこうという考えはありません。ですから、お二人が本当に幸せかどうかは、今後も田辺さんが作品を書き続けるかどうかにかかっている」

栄三 「作品を書いているかどうかは、読者の方にはわからないですよね」

万里 「ただ一人の女性に捧ぐの続編を望む声が何人かから出てきています」

栄三 「読んで下さる人がいて、そう言ってくださるならば、書かなくちゃですね」

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